足の横アーチを鍛えて持ち上げるのは、物理的に難しい。
こばです!
前回に引き続き、足のアーチにまつわる筋肉の話です。
今回は、足の横アーチを上げる筋肉
横アーチって何?という方は下の画像をご覧ください。 足には3つのアーチがあります。 このアーチバランスが保たれていることで強度を得られます。
また、最近の研究によると
【足の強度の40%以上は「横方向のアーチ」のおかげだった】
という報告がある程度、足にとって非常に大事なアーチです。
そんな大事なアーチであれば、どうにかして持ち上げたいですよね?
ということで今回は、足の横アーチを持ち上げる考え方をお伝えします。
のっけから答えを言いますと、鍛えて持ち上げるのは非常に難しいです。
では、スタート
足の横アーチを鍛えて上げるのは難しい
なぜかと言うと、効率的に持ち上げる筋肉がないからです。 Q.E.D 証明終了!
閉廷!
というのは、投げやりすぎるのでざっくりと解説しますね。
まず、横アーチの確認!
足の横アーチは、趾のつけねだけではありません。 足の横方向にあるアーチ全般を指します。 おおよそ、この範囲が足の横アーチ
※部位ごとに細かな名称はありますが、ざっくり解説ということで。。。
足の横アーチを上げるということ
足の横アーチを最も効率的に上げることを考えると 足にこのような上向きの力をかけたい!
という風になりますよね?
前回の内容。
でも、ちょっと厳しいところがあります。
それは、後脛骨筋のようにアーチを直接持ち上げるような
効率的な筋肉が足にはないからです。
足先を上げる筋肉はつま先に。
足を上方向に持ち上げる筋肉は存在します。
それは、後脛骨筋のように脚のスネ~足の甲周りに付着する筋肉で これらによる持ち上げ効果はあると思います。
ですので、土踏まずなど縦方向のアーチを持ち上げるような トレーニングでも効果を期待することができます!
しかし、横アーチが低下することで
トラブルが発生しやすいのは、趾のつけね
趾のつけねの底にタコがある
歩くと趾のつけねの底が痛い
という方は、足に悩む人に多いと思います。
そうなってくると、多くの方が期待するのは
趾のつけね周りの横アーチを持ち上げること!
しかし、筋肉の走路を見てみるとどうでしょうか? 足先は上がりやすくなっているのですが、 趾のつけねは持ち上げにくいような走路になっています。
これは、足を上げる筋肉が
・すね~趾の先
・足首のつけ根~趾の先
についているからで、趾のつけ根にはついていないからです。
また、筋肉は骨~骨につきます。
その間で伸び縮みすることで、力を発揮します!
これを加味して、もう一度上の画像を見てください。
趾のつけねを持ち上げるのは難しい気がしませんか?
もし、こんな筋肉があったら趾のつけねをグッと持ち上げやすそうですよね? でも、残念ながらありません。 この筋肉があったら同じ方向の筋肉に連動して、趾が浮いてしまうので 本末転倒になってしまいそうなんですよね。 あったとしても、人類の進化で淘汰されていそうです。 適当に言っているので知りませんが。
ここで話は戻ります。
足のアーチは、3つのバランスが整うことが大切です。
足が極端に傾いていると、それだけで
足のアーチは崩れます。
下の画像を見て頂くと、なんとなく想像できますよね?
フラットフットだと、足の内側のアーチが極端につぶれるし
ハイアーチだと、足の外側のアーチが極端につぶれやすい。
ざっくりまとめると
足の横アーチは筋肉で支えにくい
足の傾きによって、足のアーチの形や負担が変わる
さらに、足の骨と骨とをつなぐ役割をもつ【靭帯】は加齢で劣化しやすいし鍛えにくい。
となってくると、これはもう、外部的に支えるのが効率的だよね?
という考えに行き着いたのがわたしです。
足に合った適切な靴を履くと、足の傾きは改善できました。
外部的に支えるなら 靴 or インソール
まずは靴!
でも、もっと快適さを感じたいのならインソールが大事!
ただ、基本的に横アーチを支える市販のインソールは少ないです。
これは、単純に難しいからです。
足の長さが人それぞれ違う以上、趾のつけねの位置も変わります。
また、蹴り出し時に力がかかる部位ですので、
横アーチパッドの位置がズレていたり、広さや高さがその人に合っていないと
大きな【痛み・不快感・異物感】がつきまといます。
ただ、土踏まず周りは多少適当でも違和感は少ない傾向にあります。
ですので、多くのインソールメーカーが、土踏まず周りは支えるけれど
趾のつけ根周りは支えていなかったり、微妙な持ち上げ程度になってくるのです。
大量生産するもので痛い!合わない!と言われるのは避けたいですからね。
横アーチパッドに関してはわたしも慎重です。
ある程度の計算
お客様の皮膚の厚みや感じ方
靴底の厚み、柔らかさ、形と兼ね合い
歩き方のクセと現状と今後の形
を踏まえてはじめて作図をします。
横アーチパッドの削り方や形も人に合わせて変えます。
ただ、わたしを選んでくださるお客様の多くは
この横アーチパッドによるものかなとも思います。
インソールで横アーチに対策をするのなら、詳しい人に任せるのがおすすめです!
明日も出張でインソールをお作りします。
こばでした!
Comentários